『画素数が多いから高画質』神話は生きている。
テレビの通販番組の影響もあってか、今でも画素数の多いデジタルカメラが高画質だと勘違いされている方が多いようです。
しかし、現実はそう簡単な話ではないのでご注意を。
デジカメでは、同じような大きさの場合、どのメーカーでも、ほぼ同一サイズのCCDやCMOS(共に撮像素子)が使用されています。これは、撮像素子メーカーが限られていること、筐体やレンズなどのサイズが前提となるためです。もちろんコスト削減や量産が前提であるのも理由のひとつ。そのため、画素数が多くなれば1画素あたりの面積(光を受ける面積)が小さくなってしまうのは簡単な理屈ですよね。
少ない光を受け取りつつ、綺麗な画像を生み出すには、それなりの技術と処理能力が必要です。ここがうまくいかないと、白飛びや黒つぶれなどはもちろん増えるし、あまり美しくない写真が撮れてしまうのです。
また、無駄に画素数が多ければ、それだけ1枚あたりのデータ量も増えて、デジカメ用のメモリーカードはもちろん、パソコンにとっても負担になりますよね。あとで加工したい場合にも、余計に処理時間がかかってしまいます。
例えばホームページで見る写真の場合、通常は大きくても35万画素(640*480ピクセル)くらいが限度。そのために1000万画素(3648*2736ピクセル)の画像を撮っているのでは、まさに無用の長物です。加工のことを考えても、500万画素もあれば、本当に充分ですよね。A3でプリントするにしても、余裕のある画素数ですから。
あらゆるモノでハイスペック化を好む国民性を前提とした企業の土壌(が一般的ですね…)では、仕方のないことかもしれませんが、なによりも商売をする前提として、情報を正しく伝えることが大事…だとの思いを強くするこの頃です。
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